フランス留学生の日記

時々更新!フランスでの日々を投稿しまーす!

本棚4 『遠き落日』-渡辺淳一

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皆さん、こんにちは!


本日皆さんにおすすめする本はこちら、

 
渡辺淳一『遠き落日』講談社文庫 2013

です!かなり渋いと思います笑

知っている方も多いと思いますが、現在1000円札の顔にもなっている細菌学者野口英世の伝記です!もうすぐ変わってしまいますが。。
※実際に私が読んだのは小学校6年生の時で、講談社文庫ではなく角川文庫でした。

内容の前にこの本との出会いを書かせていただくと、
私の家には父が録画したビデオテープが何十個ときれいに整理されて置いてありました。
そして小学校5年生になる前に『遠き落日』とラベルが貼ってあるビデオを見つけ1人でみたのです。それがこの本が映画化されたものでした。野口英世三上博史さん、野口シカ(野口英世の母)を三田佳子さんが演じられてました。

お二人の演技は本当にお上手で、英世にだけクローズアップされたものでなく親子の愛情を上手く描いています。
※因みにこの映画に出てくる野口英世の初恋相手山内ヨネ子を演じた牧瀬里穂さんが本当に本当に美人で(冗談抜きで小学校5年生になる少し前の風来坊少年は衝撃を受けました)、20年経った今でも私は牧瀬さんのファンです。。


見終わって、感動してしまい大泣きに泣き、もっと野口英世を知りたい!と思い次の日学校の図書館で野口英世の伝記を借りて貪るように読みました(また父に頼んで福島県猪苗代町にある「野口英世記念館」に連れて行ってもらいました)。そこから本棚にある日本・世界の偉人の伝記を読んでいき歴史が好きになっていったのですが、これは追々(^^♪

 

さて、内容は上記で軽く書きましたが野口英世と母の野口シカがある意味W主役のような形で物語は進んでいきます。

野口英世と聞くともっぱら貧しい家の出で左手にハンディキャップを負いながらも努力に努力を重ね、細菌で苦しむ人々のために研究し最後は自ら黄熱病に感染してアフリカで亡くなるとその功績部分のみが伝記になったり、有名ですが、実はもっと人間臭かったんだぞ!と書いているのがこの本です。


友人に借金を重ねたり、自分の恩師や師匠にさへ住むところだけでなくお金を無心したり、失恋の影響で自暴自棄になり酒におぼれかけたり(これは実話かどうかはわかりません)と実際の野口英世像に近い形で描かれています。
因みに野口英世のダメダメエピソードはきりがない!とこちらが匙を投げたくなるほどあります笑


でもこんな英世でもその才能や人柄もあったのでしょう、故郷の恩師小林栄や東京の師匠血脇守之助らから常に助けてもらうのです。
野口英世よりお金の工面を何回もした師匠達のが凄いと思っちゃいます笑


また母シカは息子英世が世界の医学界でどんどん有名になっていっても決して周りに自慢する事は無く、英世が1歳半の時、自分の不注意で左手に大やけどを負わせてしまったという負い目を亡くなるまで持ち続けていたといいます。
その母シカの息子を想う気持ちも当時小学生だった私にもはっきり理解できました。


この本・映画を通じて、
自分の志の為なら真っすぐ突き進んでいくその「姿勢」と「向上心」を野口英世から学んだ気がします。
故郷福島県猪苗代町にある「野口英世記念館」にはリニューアルオープンをする前後で計5~6回は行っていると思いますが、行くたびにこの事を思い出させてくれます。


またタイムリーなことにコロナウイルスという目に見えない恐怖が現在我々の周りに存在していますが、昔そのような目に見えないウイルスと戦っていたのが野口英世です。
だからこそ最近ネットやYoutube北里柴三郎野口英世を取り上げたものが多く投稿されているのだと思います。

 

私に読書と勉強の面白さを教えてくれたこの本は紹介したいと思い今回取り上げました!