フランス留学生の日記

時々更新!フランスでの日々を投稿しまーす!

本棚13 『L’Avenir en commun』Jean-Luc Mélenchon

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皆さん、こんにちは!!!

本日はこちらの本↓を読みましたので感想を投稿します。

Jean-Luc Mélenchonって誰???

メランション氏は1951年8月19日生まれのフランスの政治家で、現在は国民議会議員(日本でいう衆議院議員)をされています。元々は社会党に所属していて元老院議員、シラク大統領の時のリオネル・ジョスパン内閣で国民教育大臣(2000年3月27日〜2002年5月6日)、欧州議会議員(2009年7月14日〜2017年6月18日)などを歴任し、現在はLa France insoumise(不服従のフランス)という急進左派政党で党首です。

 

《この本について》

今年4月の大統領選挙に立候補を表明しているメランション氏。そんな彼が昨年11月末に出された政策集がこの本の内容で、大統領になったら行う政策が各分野毎にまとめられています。

全ては書けませんので気になった点を幾つか。

1️⃣第六共和制の創設

→現在の第五共和制は大統領の権限が強く議会の権限が弱いので国民との距離が余りにもある。なので、それを終わらせて議会が今以上に権限を有する第六共和制を創設する。

国民の政治参加を促す為に投票権を16歳(現在は18歳)まで引き下げる事も書かれていました。

※私は第三、第四共和制の失敗の歴史から議会において少数政党が乱立をすると結局は何も決まらない事が起きるので議会の権限を強くするというのはフランスにおいてどうなのか疑問です。

2️⃣テロ・治安問題について

こちらは監視・警察力強化を唱える右派との違いを強調していました。我々は「人権」を考慮した方法で対応する。具体的にはテロと関わる団体のあらゆる法的権利を失効させることや、今の警察に代わる国民に近い警察組織の創設。

※監視強化や警察を増員するなどはとても物騒に聞こえますし、そういう息苦しい社会は住んでいて嫌ですよね。

3️⃣グローバル化について

私が1番興味深かった章でした。ここでは強くフランスの「独立」を保障します!と書かれていました。国際的な枠組みの中でフランスの国家としてのプレゼンス(存在力)の低下を憂い、国際平和と協調を図る為にaltermondialiste(もう一つのグローバル主義)を謳っています。具体的には各国と新たなもう一つのグローバル主義的合意形成、NATO(フランス語ではOTAN)の軍事部門からの即時離脱、EU離脱の為の国民投票を実施する。

※フランスの国家としての「独立」が書いてある所はド・ゴール主義的で「おぉ!まさにフランス!!」と思いましたが読み進めると「もう一つのグローバル主義」が何なのか良く分からず、言葉遊びをしているような印象を受けました。

もちろん他にも環境政策、住宅政策や移民政策など他の政策についても言及されています。

 

以上、本紹介でした!

左派系の方の政策をこの様な形で始めて読んだのでとても新鮮でした。思想の違いは随所でありましたが、政策集として本にまとめられていますのでこれはとても良い試みだと思いました。自分たちの想いを形にするのはやはり素敵ですね。