フランス留学生の日記

時々更新!フランスでの日々を投稿しまーす!

本棚21 『Le journal d'un manœuvre』と『Le temps est venu』

久々の本紹介。
ここに投稿したい本がたくさんあるのだが、間に合わない😅
まぁ、少しずつ投稿しようと思う。


本日紹介する本は2冊。

まず最初は、

Le journal d'un manœuvre Thierry Metz


1997年に40歳の若さで亡くなったThierry Metz氏の詩集。
日本ではあまり有名ではないと思う。実はフランス人の彼女も知らなかった。

たまたま本屋の詩集コーナをウロウロしていた時に目に入りパラパラと読んだところ興味を抱き購入した。


建設現場で働く作業員の日常を淡々と書いているのだが、その文体はとてもわかりやすくかつ建設作業員ではない私にも自分が建設現場で働いているのではないか?と思わせてくれる上質な感じ。


フランス文学や詩に多く見られる難しい隠喩は殆どなかった。


ただここだけ聞くと『蟹工船』みたいな本!?と思われてしまうかもしれないが、そういうわけではない。
何かしらの思想・哲学、政治や経済的な物の生臭さは一切なくただただ「現実」を奇麗に写し出している。


2冊目は、
Le temps est venu』Valérie Pécresse
https://www.amazon.fr/dp/B09TDTKNH5/ref=cm_sw_r_apan_A6EHHZGDQYP4H1384VTE



4ヶ月前のフランス大統領選挙にフランス共和党候補として出馬したペクレス氏。

フランスの超エリート校である国立行政学院(現在の国立公務学院)を2番で卒業し、そのまま高級官僚の花形である国務院、その後大統領府へ。
2002年にシラク元大統領の秘蔵っ子として政界入り。そして経済・デジタル大臣や予算大臣などを歴任したフランスエリートを凝縮したかのような人生を送られて来た女性政治家。
因みにペクレス氏は母国語であるフランス語の他にロシア語と日本語が話せる。


フランスの問題点についての指摘や想い・政策ももちろん読んでいて新鮮だった。
特にフランスにおける若者の識字率の低さについての箇所にはとても驚いた。

ただ、個人的には彼女が幼少期や学生時代をどのように過ごして来たのかがとても面白かった。
彼女はいわゆる知識人階級家庭の出身なのだが、家族がゴリゴリのド・ゴール主義者。
その影響はとても強く、私もド・ゴール主義者だ!と本著では書かれている。

また、ペクレス氏も他のフランスの政治家と同じくかなりの本の虫。友達と遊ぶより本を飽きずに読んでたらしい。

また日本へ留学していた時の話も少しだけ出てくる。


政治家がどのようにしてその人間(性)を形成してきたのか。そこに関心があるので面白く読んだ。


この2冊とも日本語訳はないかと思うがある程度フランス語がわかる人におすすめ。