フランス留学生の日記

時々更新!フランスでの日々を投稿しまーす!

本棚19 『Macron 2』 Dominique Albertini他

5月26日(木)àトゥールーズ。最高気温20°。
本日はキリスト昇天祭という事でフランスは祝日。午前中は晴れていたが、午後から曇り。長袖を着ないと寒く感じた。


昨日に引き続き、本紹介!
本日はこちら↓!


Macron 2, Les secrets d'une réélection https://www.amazon.fr/dp/2809844267/ref=cm_sw_r_awdo_4T4J50VVFBEK6CA3XGNG
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内容は、日刊紙Libérationの記者がマクロン(Emmanuel Macron)大統領とフランス共和党ヴァレリー・ペクレス(Valérie Pécresse)候補の大統領選挙キャンペーンを中心に追った記録と、その人物・政治評価。
※少しだけル・ペン(Le Pen)候補、ゼムール(Zemmour)候補、そしてメランション(Mélenchon)候補について取り上げている。


2週間前に書店でたまたま見かけて、気が付いたら購入していた。


本著を通してマクロン大統領については比較的批判的な書き方がされている。
彼の経歴から政界進出までを彼の周りの人間へのインタビューなどを通して記されているが、彼の野心的なキャラクターや、大統領になってからフランスにおいて重要な「移民問題」と「治安問題」には正面きって取り組んでいないという指摘は面白かった。


ある学者(マクロン氏の恩師の1人)曰く、「彼には哲学がない。場当たり的な対応しかしていない」とのこと。


また、マクロン氏はメディアに彼の政策や計画をあまり語ろうとしない。


ただ、2017年のマクロン登場はフランス政治を根底から覆すものとなり、それが今回の大統領選挙で証明された。
5年後の「ポスト・マクロン」でどんな勢力・政治家がフランス政治を率いるのか。
ポスト・マクロンで名前が上がる政治家にも数人言及している。


ペクレス候補については、フランス共和党の古い選挙キャンペーンや内部での分裂など日々の新聞や政治家の言葉では分かり得なかった事がツラツラ書かれていた。
これこそジャーナリストの本領発揮が叶う部分だと思った。

まぁ、2017年の大統領選挙での共和党候補だったフランソワ・フィヨン氏の問題、トラウマが根深いというのも理解出来た。


個人的に彼女に少し期待していたのだが(日本留学経験のある日本通という事もあったので)、共和党内部の事を知って、これでは到底当選するわけないと思った。

【メモ】
ここで日本の自民党(の派閥政治)とフランス共和党の党内政治を簡単に比較したいと思う。
自民党の派閥を批判する人は多いと思うが(私も若干否定的)、フランス共和党内部のゴタゴタに比べれば、自民党の派閥は分かりやすく政治的な動きが理解しやすいと思った。
フランス共和党内部にも「XXX議員に近い」のような派閥やグループまでいかないまとまりみたいなものがあると表現されているが、それが日本でいう派閥の様な形なのかもしれない。ただ、政治をある程度分かりやすくするという観点から自民党の派閥は十分その役割を果たしてると思った。


話を戻して、この章を読んで、
私はフランス共和党のとある大物議員を大っ嫌いになった。その議員についての評価は本著では書かれていないが、政治家の前に人として信用ならない気がした。


【総括】

上記の通り2017年のマクロン登場はフランス政治に大きな変化をもたらした。


第5共和制(1958年〜)誕生からフランス政治を率いてきたフランス社会党とフランス共和党(ド・ゴールが率いた政党が起源)は歴史の彼方へ消えかけていて、これからどうするのかお先真っ暗だと書かれている。
今回の大統領選挙の結果が如実にそれを示していて、両党足しても8%弱しか得票を得られなかった。

そして何と言っても極左、極右政党が今回の大統領選挙で得票の半分以上を占めた。
ル・ペン氏の23.1%、メランション氏の22%、そしてゼムール氏の7.1%。


ポスト・マクロンの仮説として5年後のフランス政治は、

①右派・左派の対立がまた激化する。

マクロン系の政治家や政府が新たな秩序をつくり、長期でフランス政治を統治する。

③新たな政党や政治家が登場する。2017年前のマクロン氏のように。

とのこと。


【個人的な感想】

フランス政治は日本政治に比べてダイナミックとよく言われる。
日本の地方政治では維新の会の躍進の様なダイナミックさがある程度あるが、国政政党では自公一強だ。


ただ、個人的に友人と話したり、manifestationに参加している方のインタビューを見ると民主主義への疑念や失望というのは日本、フランスともに強いと最近強く思う。


こちらの政治家の本を読んでいてその国民の想いとどう向き合うべきか試行錯誤している姿がよく分かる。


民主主義にとって現在は我々がその不確実性の中でもがいている過渡期なのかもしれない。


短期的な視点と長期的な視点で政治を眺めないといけないと再認識した。


300ページ程の本で、日本語訳はもちろんまだ無いが、ある程度フランス語が出来る方には現在のフランス政治を理解する本としてお勧めしたい。

【おまけ】
トゥールーズのキャピトル広場をパシャリ📸


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