6月30日(日)
パリオリンピック前にフランスでは大イベント、国民議会選挙(日本で言う衆議院選挙)の第一回目投票が行われた。
フランスの議会制度については過去に投稿したこちらの記事↓を参考に!(^^)!
20時に大方の結果が出て、予想通りRN(国民連合)が勝利した。
NFP(左派連合)が28.1%と善戦した印象。私は反左派連合だけど。。。
フランスの国民議会選挙制度は小選挙区二回投票制なので決選投票(二回目投票)は来週7月7日(日)にある。
【感想】
私は日本人なのでフランス国民議会議員選挙ではもちろんのこと投票できない。
ただフランス人パートナーやその家族、大学院の友人などに色々とフランス政治に関して質問してみたりして聞いた感想をここに書いてみる。
①フランス人パートナーと彼女の家族の話
パートナーのお父さんは生前トゥールーズ郊外の町で市長をしていたゴリゴリのゴーリスト。義父が市長をしていた時はシラクの熱烈な支持者だったらしい。その関係からかお義母さんも基本的には右派。ただ現在はマクロン支持者とのこと。
ただ反対にパートナーのお姉さんや多くいる従姉妹たちは極右支持者。
そんな中私のパートナーはマクロン支持者で今回の選挙に関してパリに引っ越してから選挙登録を移していなかったので(つまりトゥールーズに置いてきたままだった)、投票が出来なかった。代理投票の手続きも間に合わなかった。
このブログを書いている私の横で結果にショックを受けてズーっとため息をついている。
一度パートナーの家族会で政治の話をした時、口をそろえて言っていたのが「移民問題」だった。それはそのまま治安問題に繋がりフランスはイタリアに次いで酷いと。
日本も外国からの圧力で国を開き過ぎないようにした方がいいと言われた。
②大学院の友人の話
基本私より5歳~10歳ほど若い世代のクラス。
皆若くまだ社会に出た事がないせいか私からすると理想主義過ぎる感がある。「こうしたら世の中は変わる!!」みたいな。若いっていいなぁと思うこともあるくらい。
そんな彼らの多くは反マクロン。よく聞く彼への批判は彼が大企業優遇政策をする「金持ち」の大統領ということと、彼が2017年に就任してからフランス憲法第49条3項の発動の多さ、だ。
※Article 49.3とは政府が法案を通したい時に議会の議決を回避して法案を採択できるという制度。
調べたら彼が就任してから12回発動している。これは1958年に今の第五共和制が出来てから二番目の多さ。一番はフランソワ・ミッテラン大統領時代Michel Rocar首相の左派政権が出した28回。
Comment fonctionne l’article 49.3, utilisé pour la douzième fois par Elisabeth Borne ? (lemonde.fr)
とにかくマクロン大統領の評価は良くない。
彼のその傲慢な態度だけでなく彼が言う国民とは金を持っている人の事
エリートは国に必要だけど、彼のような野心家エリートは金や権力を持つ人達としか付き合わない。それが彼の一番の問題だと思うし彼の本質はそこにあると思う。
など。
日本の報道を見ていると今回の選挙は「マクロン大統領は大きな賭けに出た!」と書かれていたが、こちらの印象だと「なんで負けると分かってるのにこんな決断したの?」だった。アタル首相はじめマクロン大統領の取り巻きはこぞって議会の解散に反対したという。
マクロン大統領にとってこの結果は(残りの任期3年)今後の政権運営で中々厳しい舵取りをしていかなければならないと言われている。確かに表面的にはそうかもしれないが、コアビタシオンで内閣を形成した野党は次の選挙で勝つことは中々厳しいことも分かっている。なぜなら強く政府批判していた政党が現実的な政権運営をしなければいけないから。
今は時事問題から離れて落ち着いて勉強をしようとしているのだけど、やはり選挙は血沸き肉躍る。私の身体に流れている政治家の家系であるという血が騒ぐ。
因みに私は議会の権限が強かった第四共和政が好きではない関係で、左派連合が唱える大統領の権限を制限し議会の権限強化を図る第六共和政に反対している。