フランス留学生の日記

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フランスの議会制度(立法権)について

皆さん、こんにちは!!!

本日は昨日に引き続き、フランスの議会制度(立法権)について投稿します!こちらの写真↓はフランスの国民議会(Assemblée national)です。

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1.フランスの議会

フランスは日本と同じく2つの議院によって国会は構成されています。

国民議会Assemblée nationale)→下院に相当し、日本でいう衆議院

元老院Sénat)→上院に相当し、日本でいう参議院


2.国民議会

国民議会はブルボン宮殿(Palais Bourbon)↓を議事堂としており、定数は577名。

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・現在の国民議会議長はリチャード・フェラン(共和国前進)。

・院内勢力でいうと共和国前進が343議席で最大です。

・任期は5年で、直接普通選挙によって選出されます。

選挙制度小選挙区2回投票制。つまり、有効票の絶対多数(有権者の4分の1の票数)を獲得しなければならず、達しない場合は決選投票で相対多数を獲得すれば当選となる。ただし、決戦投票に進むためには第1回投票で選挙区の有権者数の12.5%以上の票を獲得する必要がある。

・選挙区は577あり、区割りは選挙法典に定められている。

・選挙権は満18歳以上のフランス人で、選挙人名簿に登録され、市民権・参政権を享受し、法律に定められた欠格事項に該当しない人。

・被選挙権も満18歳以上のフランス人。

・政府の信任・不信任の手続き(フランスにおける議院内閣制的要素)や、予算案の審議権、両院不一致の場合における最終議決権など国民議会には元老院に対する優越権がある。これに関しては日本の衆議院にも優越権があるのと同じです。解散がある分、民意を反映しやすいという担保があるからです。

 

3.元老院

元老院はリュクサンブール宮殿(Palais du Luxembourg)↓を議事堂としており、定数は348名。権限は幾つかを除けば国民議会と同等ですが、元老院諮問機関としての性質が強い。

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・現在の元老院議長はジェラール・ラルシェ(共和党)。

・院内勢力は共和党グループが148議席で最大です。

・任期は6年(3年ごとに半数が改選)で、各自治体に割り振られた選挙人団(collège électoral)たちによる間接普通選挙。これは日本人にはイメージし難いのですが、換言すれば国民が直接元老院議員を選ぶというわけではないという事です。もっと詳しく言うと、国民が選んだ県議会議員や地域圏議員などの地方議員で構成される選挙人団の中から元老院議員が選ばれるのです。そして元老院議員は兼職が可能。つまり元老院議員であると同時に知事や県議会議員でも居られるのである。でもそれは諮問機関としての役割が元老院の本質だからなのです。

・被選挙権は30歳以上のフランス国民。

 

【参考資料】

・国民議会HP

Assemblée nationale ~ Les députés, le vote de la loi, le Parlement français (assemblee-nationale.fr)

元老院HP

Accueil - Sénat (senat.fr)

 

以上、フランスの議会制度(立法権)についてでした。

個人的にはフランスの元老院の制度は日本も導入できないか?と思いました。昨年の衆議院選挙の際、日本維新の会が地方の首長が参議院を兼職できるようにするという政策↓を掲げていました。私は率直にいいと思います。参議院改革が進まない日本。そろそろ参議院の存在理由も込みで本腰をいれて議論した方がいいかと思いました。

日本維新の会 政策提言 維新八策 2021|日本維新の会 (o-ishin.jp)

※私は日本維新の会の後援者ではありません。