フランス留学生の日記

時々更新!フランスでの日々を投稿しまーす!

フランス関連本紹介 山口昌子『フランスよ、どこへ行く』その他

皆さん、こんにちは!

 

今回の内容はフランスに関連する本紹介です!!

 

早速、On y va!!

今日紹介する本は、私がフランスへ来る前にフランスを知る為に読んだ本10冊です!^ ^

 

ユーゴーボードレール、ジッド、ジュペリ、カミュサガンなどの文学作品はいつか別で投稿したいと思ってます!!(*^^*)

 

①山口昌子『フランスよ、どこへ行く』産経新聞出版
 
②山口昌子『ドゴールのいるフランス』川出書房

③山口昌子『大統領府から読むフランス史


④山口昌子『原発大国フランスからの警告』ワニブック

著者は90年から産経新聞パリ支局長としてずっとフランスを見てきた方です。
私が抱くフランスのイメージは山口昌子氏によって作られたと言っても過言ではない。

 

フランスの歴史、文化や時事問題は勿論のことですが、
山口氏の著作を通じて1番私が学んだのは、
フランスの国家としての「独立」への強い想い
です。

 

安全保障には3つの分野がある。

 

1軍事的安全保障 
2エネルギーの安全保障
3食料の安全保障

 

フランスが安全保障を他国に依存するのはあり得ない。
軍事的にはド・ゴール元大統領は核武装をしたし(95年核実験再開の際も政府要人はその必要性を主張)、エネルギーの安全保障ではエネルギー源を他国に依存しないように原発を58基(全発電量の77%)保有する。
また、食料の安全保障ではフランスは食料自給率130%(カロリーベース)、83%(生産額ベース)と世界第4位の農業大国です。
※私はカロリーベースでの算出方法は眉唾物だと思ってますが。。笑

 

この事実から、フランスがEUとの関係を声高に主張しながらも、いかに国家の「独立」を重要視しているかが分かる。

 

もちろんご著書には政教分離、政治家のスキャンダルに対する国民の反応、移民問題、労働問題等についても詳しく書かれている。
それらについて日本ならどうだろうか?と問題提起をしたり、フランス人の反応へも厳しい目を向ける時もある。

 

よく留学生にありがちな「出羽守(でわのかみ)」のように「○○ではこうだった」や「○○では〜なのに、日本はダメ」の様な書き方はないので、安心して読む事ができる。

 

フランスから全てを学べるとは言いませんが、もちろん学べる所もある。
政治の分野ではド・ゴール元大統領の様な誇り高く、傲慢で太々しい図々しさが、日本もこれから必要となってくるのではないか??
「日本よ、どこへ行く」と言われない様に。。

 

⑤松本百合子『それでも暮らし続けたいパリ』

何かのTV番組(再放送?)で松本氏が出ており、この本を紹介されていた。

 
松本氏は翻訳家としてパリで活動されてますが、実は世界的に有名なフランス料理のシェフ、ドミニク・ブシェ氏の奥さんでもあります。

 

どこに住んでいても良い所もあれば不便な所もある。パリで生活する上で不便なことも多いけど、「住めば都」。
パリで生活している生の声がよく分かりますし、パリでの生活を心の底から楽しんでいらっしゃるのだなぁと伝わってきました^ ^

 

池澤夏樹『異国の客』集英社文庫

私がフランス留学へ行く前に日本で読んだ最後の本です。

恥ずかしいながら著者の事を知らず、ネットでフランスに住んだことがある方の本を検索していたらヒットしたのがこの本だった。

 

池澤氏はパリ郊外のフォンテーヌブローに住まわれていて、フランス社会で起こる様々な問題をそこから見つめて、また日本社会と比較する。フランスでよくあるデモについて否定的な日本人ですが、このエッセイを読むと意外とその本質が分かるかもしれません。
中々面白いエッセイでした^ ^

 

現代のフランスについて知る為の本ではないけれど、横浜正金銀行員として1907年から約1年フランス・リヨンに住んだ永井荷風

 
この本を読んでリヨンもいいなぁと思ったのは事実です。

 

当時は発禁を受けた本だったらしい。
どこがダメなの?と読んで思いましたが、他の方もこの本の感想で述べられています様に「日本語ってこんなに綺麗なんだ」と感動します。
森鴎外はこの本を読んで、作家になるのを諦めたらしいですが、私は反対に憧れてしまい、私もこんな綺麗な日本語で本を書きたい!と思ったのは良い思い出です😆

 

遠藤周作氏の本は映画化された『沈黙』しか読んだ事がありませんでしたが、ふと遠藤氏も戦後間もない頃フランスに留学していなかったか?と思い、調べたら本まで書かれていた。

 
時代ごとに3人の主人公がいて、それぞれ章が分かれてます。
主人公には「留学する私は君たちとは違うんだぞ」という変なプライドがある。
しかし現地での習慣の違いにより、抱いていた「理想」と実際に知った「現実」の間で苦労するのです。
結局体調を崩して帰国しちゃう人もいる。
留学する1ヶ月前位に読んだ事を後悔しました笑
でも、自分はこうはならない!と逆に身を引き締める事ができた様に思います^ ^

 

小田中直樹『フランス現代史』岩波新書

戦後からマクロン大統領登場までのフランス史が書かれてます!通史ですね^ ^

ですが、恥ずかしながらド・ゴール大統領が亡くなる1970年までしか読んでません泣
その時はド・ゴール大統領について知りたくて購入したというのが理由ですが、今は後悔してます。

 

小田中直樹『フランス7つの謎』文春新書

こちらの本は現代のフランス社会で問題となる移民問題(政教分離)、デモやスト、標識のバイリンガル表記についてなどが書かれてます。

日本にはない問題だけに、気付かされることの多い内容です。

 

以上です!
思い出せるものでこの10冊なのですが、他にも読んだものがあればいずれご紹介します^ ^

 

実際にこちらに来て、下調べが少しは役に立っているとは思います^ ^
昨年12月の年金ストで電車が止まる事態に。
もしかしたら日本へ帰国するのが難しくなるかもしれないと思い、直ぐに日付を変更したりド・ゴール空港まで電車を使わず夜行バスで向かったのは良い思い出です。
デモがどれほど凄まじいかは実際に見なければ分かりませんが、どう対応しようか等は学べました^ ^

 

帰国したら、
佐藤賢一『ドゥ・ゴール』角川選書

や、佐藤賢一氏のフランス史シリーズを読もうと思います‼️

 

皆さんは、フランスについてどの様な本を読まれてましたか?おススメがありましたら教えて頂けると嬉しいです^ ^