皆さん、こんにちは!!!
本日のおすすめ本はこちら↓です!
岸惠子訳 『パリのおばあさんの物語』 千倉書房 2008
私が岸惠子さんについて知ったのは大学生の時でした。
『99年の愛 〜JAPANESE AMERICANS〜』という戦前にアメリカへ移住したある日本人家族の物語で、草彅剛さんと仲間由紀恵さんのW主演のドラマでしたが、恥ずかしながらそのドラマに出演されていた岸さんを私はその時初めて知ったのです。
※岸さんは私の祖母より3歳歳下なので彼女からすると孫世代の私です。
そして、フランス留学を考え始めた時に彼女の本を何冊か購入して読んだのですが、この本はその中の一冊です。と言っても、岸さんは翻訳をされてこの本の著者スージー・モンゲンステル氏です!
内容は、夫に先立たれ、子供も独立し今は1人でパリのアパートに住んでいるユダヤ人老女のお話。歳をとって昔は簡単に出来た事(読書や編み物、買い物など)も難しくなってしまったけど、彼女はとても人生を楽しく生きている。移民としてフランスに来た事や、第二次世界大戦の混乱を生き抜いてきたという事、戦後家族で一生懸命生きて来たという誇りが彼女にはある。
もちろん孤独感だけでなく不安や悩みもたくさんあるけれど、その日その日を一生懸命生きているその姿と今までの経験から得た人生観はとても素敵だなぁと思いながら読みました。
私は特に最後のページの「おばあさん。もう一度若くなってみたいと思いませんか?」と聞かれた老女は躊躇うことなく「もういちど、同じ道をたどってどうするの?だって私に用意された道は、今通ってきたこの道ひとつなのよ」と答える所にこの老女の全てが凝縮されている様に思えました。とても素敵です。
とても短いお話でパーっと読めてしまいますが、読んだ後は色々と考えることができるそれこそ「考えさせる」「骨太な」本です。
言い過ぎかもしれませんが、サン=テグジュペリの『星の王子さま』の様な感じです^ ^。
まだ30代前半の私。日本人男性の平均寿命でいくとあと50年はこの世に存在することになります。果たして私はこのおばあちゃんの様な老人になる事ができるのだろうか🤔それはもう少し先のお話ですね、今は分かりません。
でもこの本の帯に「フランスで子供から大人まで読み継がれている絵本」とありますが、本当にどの世代にも読める本だと思います^ ^
おススメです!!