フランス留学生の日記

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本棚28 『Manifeste pour la paix et la Liberté 』 Florian PHILIPPOT

本日は先週Amazonで購入したこちらの本↓

 

Manifeste pour la paix et la Liberté

 

の紹介。

 

Amazonページはこちらから↓どうぞ。

 

日本でも高校で学んだ(もしくは学ぶ)かと思うが、

現在私はNationからどの様に現在のÉtat (私たちがイメージする国家)が成り立ち、今に至るのかという歴史に興味がある。それを詳しく知ることで政治思想(ナショナリズムや極右、、もっと言えばフランスのゴーリズム等)や今はやりの移民問題等の幅広い分野における問題を読み解くカギになるのではないかと思ったのだ。

※因みに私は『国家=完全悪』という日本の左派思想が好きになれず、だからと言って戦前の強権的過ぎる国家もそれはそれで好きではない。

 

そしてNationの歴史を扱う本(これについてはいつか投稿します)を読みながらフランス極右政治家の代名詞とも言えるマリーヌ・ル・ペン氏の懐刀で彼女が率いる国民連合(旧国民戦線)の政策を作成していたFlorian PHILIPPOT氏を知り一緒に読み進めた。彼は現在ル・ペン氏とは決別し自らの政党であるLes Patriote(極右政党)を率いる。

フランスメディアで極右とされる政治家は一体どんな国家観を持っているのか気になったのだ。

 

※Florian PHILIPPOT氏はグランゼコールのHEC(パリ高等商業学校)とENA(旧国立行政学院)を卒業したエリートで、そんなエリート階級の人間が極右活動をしているのは珍しいとパートナーは言っていた。

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彼の政党が掲げる政策についての小冊子で30ページちょっとしかない本とは言えない物だが彼が現在のフランス政治や国際政治に抱く不満がこれでもかと書いてある。

 

コロナ対応(マクロン大統領が最初に「これは戦争状態だ」と大げさに宣言した演説についても苦言を呈している)やウクライナ戦争のフランス政府と特にEUの対応を批判している。マクロン大統領に関しては典型的なグローバリストでsouveraineté d'un État (国家主権) の重要性がが全く分かっていないと。

またやはり欧州連合には懐疑的で国家にとってはsouveraineté(主権)が最も重要であるのに現状は。。。嘆いている。

 

他の農業政策や金融政策や移民政策(これも中々厳しい)についても軽く書かれている。

 

やはり政治家の本を読むのは面白い。

私は全ての政治家に国家観や政治観などの思想を強く求めるのだが、良い悪いは別にしてそれらを余すところなく述べているこちらの政治家は読んでいて気持ちがいい。

日本のようにリーダーシップや国民に全面的に押し出す強い思想が無くても所謂調整力(=根回し力)があれば総理大臣になれるのとは違うなぁと。

 

もっともっと深く調べていこいと思う。

 

PS:私は極右でも極左でもありません。