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昨年パリのBOOKOFFで購入したものの積ん読していたのでこれを機に読んでみた。
Najat Vallaud-Belkacem って誰???
彼女は1977年モロッコ生まれ(現在はフランス国籍)の女性政治家。
フランソワ•オランド政権時に政府報道官、女性権利担当大臣、国民教育大臣を歴任し所属政党はフランス社会党。
【内容】
本著は彼女の自伝と言えるもので、人生の節々の出来事に対してどの様に思い、考えていたかなどが書かれている。この小話が中々面白い。
モロッコ北部の小さな町で生まれる。
彼女のお父さんはその当時のモロッコ男性がそうしていたようにフランスへ出稼ぎに行き、夏になるとフランスのお土産と一緒に帰ってきた。
そのお土産を見てフランスは「夢の国」というイメージを抱いていたという。
4,5歳でモロッコを離れてマルセイユ、そしてフランス北部のアミアンへ移住する。
生まれ故郷とは全く違う世界に戸惑い、中々社会に溶け込めなかったが、土曜日に家の近くにやってくるbibliobus(移動図書館)に行ってはそこの本を全て読破した。
ベルカセム氏もフランスの政治家によく居るまさに「本の虫」タイプの政治家だった。
後の章で、教育においてフランス文学がとても重要という事を書いています。
18歳でフランス国籍を取得するが、常に自分のアイデンティティと向き合う姿勢が書かれている。
ピカルディー大学卒業後、パリ政治学院に入学。そこで現在の旦那さんと出逢う。
この本の中で旦那さんをイメージ通りのフランス人と表現している。
パリ政治学院卒業後、リヨンで公務員として働き2008年の地方選挙に立候補し初当選、県議会議員となる。
2012年フランソワ•オランド社会党政権が誕生すると上記の様に大臣を歴任した。
報道官として政府の活動をわかってもらう為に市民集会を毎週開き、民主主義とは何か?社会における政治の役割とは何か?を突き詰める日々。
女性権利大臣時代の話。
「LesGaysDoiventDispaîratreCar」という同性愛者差別のハッシュタグがTwitter上で賑わっていた際には徹底してこの動きを非難した。
そして国民教育大臣として都市部と農村部の学力格差問題などへの対応など、個別的な問題への政策が書かれている。
因みに女性差別の問題からルペン氏率いる極右政党の話になり、彼らの台頭に対してとても強い危機感を持っていて、かなり批判的だった。
【個人的な感想】
彼女の政治観、社会観、国家観について知る事が出来た。
ベルカセム氏は「フランスから多くの物を受け取ったので、恩返しをしないといけない」と言う。
モロッコ生まれの自分を受け入れてくれたフランス。
色々な人種が混じり合った共生社会(ある意味ヒューマニズム)を否定する極右は許せないという論理がベルカセム氏のアイデンティティからくる物なのではないかと思った。
フランス共和国の存在理由を歴史的視点から、また世界の中でフランスがフランスたる存在だと示せる魅力ある国を実現するにはどうすれば良いのか?自問自答が大臣在任中も続く。
この思考の先に政治家が政治家として国民(市民)に奉仕する行動が伴う。
政治家の思想だけでなく葛藤を知る事が出来るのも政治家の本を読む私なりの理由かもしれない。
やはりフランスの政治家の本を読むのは面白い。
ただ、1つだけ注文したいのは、
読みにくい‼️‼️
章分けがなく、ズラーっと淡々と書かれているのでメリハリを持って読めなかった。
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