フランス留学生の日記

時々更新!フランスでの日々を投稿しまーす!

本棚30 『Entre nous』Alain Juppé

久しぶりの本紹介。

最近英語の勉強で中々読書の時間がとれず読書もめっきり出来なくなってしまった。。。

 

ここで紹介するのは昨年読んだ本である

 

 

Alain Juppé Entre nous

 

です。

 

ここからAmazonへいけます。

 

これはアラン・ジュペ氏がシラク大統領の下でフランス首相をしていた1996年12月に出版された本。

 

フランスで彼の政治家としての人気は正直高くない印象がある。

私のフランス人パートナーに彼の評価について聞いたら「高級官僚としては頭も良く行政手腕もあったのだろうけど政治家としてはカリスマ性は全くなかった。なんかエリートの象徴・典型みたいな感じ」と言っていた。大学院のフランス人の友人に聞いても同じような事を言っていた。

 

ただこの本を読んでいくつか気になった点があったのでそれを記しておく。

イメージの差について

国民が彼に対して持つインテリのイメージ、つまりパリ高等師範学校パリ政治学院国立行政学院を卒業したかなりのインテリで誰にも心を開かない冷酷な人、という印象と実際の彼のキャラクターとの間には相当な違いがあると書かれていた。

彼はそこでだいぶ悩んでいたのだろうことは読んでいて伝わってきた。政治家として国民と付き合っていくのにその印象はよくないですからね。

まぁこれは政治家に限らず芸能人も、また国も時代も関係ない有名人なら抱く普遍的な悩みのようです。ただ何となく「なんでこんな私を皆分かってくれないの?」という気持ちが表れすぎてるように感じた。

 

EUについて

EUについて語っているページがありそこで彼はEUヨーロッパ大陸の安定と繁栄をもたらす力、場所と書いている。EUと聞くと今でも政治の論点として国家主権との関係で必ず上がる問題だが、彼は経済的な結びつきを強調しEUの可能性を主張している。

ゴーリスト政党(右)でありながらEU統合に「賛成」をしていたシラク元大統領と同じ考えだったのがここで読み取れる。

※1992年9月にフランスで行われた「マーストリヒト条約に関する国民投票」は結果的には51%の賛成で可決されたのだが、その際ミッテラン大統領率いる社会党系に加えドゴール政党のRPRを率いていたシラクやバラデュールは賛成運動をしていた。同じ右派ではフィリップ・セガンやシャルル・パスクワは反対運動をしていた。

 

政治について

政治とは人々に安心を保障するものである。

面白いなぁと思ったのは、彼の新しい民主主義新しい市民という考えを実現するためについて書いたところで、「それは我々が必要な責任のモラルであり、権利と義務がないモラルは存在しない」という部分だ。

権利に関しては一人一人が全員の決定に参加し、行政とよりシンプルな関係を築け、司法とより公平無私な関係を構築すること。それは換言すればアイデンティティや専門教育への権利でもあると。

また義務に関しては環境を尊重し、社会的格差に対して戦うこと。具体的には学校での暴力行為や暴力に苦しむ子供を保護することなど。

 

そして政治家の責任としては国民や市民に「真実」を語ることであると。国民が喜ぶことだけを主張するのではなく耳をそむけたくなる事実や真実をしっかり語ることが重要。

 

以上、本紹介でした。

120pとすぐに読めてしまう本だが、私はジュペ氏がボルドー市長としてボルドーの街を一変させた彼の政治手法に関心があった。

なので彼の人となりや考えを少しでも知りたいと思いこの本を購入した。政治家としての国家観やある物事への捉え方を知るのにその政治家の本を読むことは重要。

彼について好き嫌いはここでは書かないが、そういった意味では面白く読めた。

 

 

 

本棚29 『Ce pays que tu ne connais pas 』 François Ruffin

J'ai un livre depuis la semaine dernière 'Ce pays que tu ne connais pas ' qui a été écrit par François Ruffin.

Il a décrié très fort Emmanuel Macron dans ce livre en traçant sa vie depuis son enfance.

 

C'est le même livre en japonais.

 

Vous connaissez cet auteur ?

François Ruffin est un journaliste, essayiste et homme politique français (député).

Il est né, par chance, à la même ville et à la même époque d'Emmanuel Macron.

Il n'a rien à envier à Macron, c'est à dire qu'il a

grandit dans la même classe sociale bourgeoise.

 

Mais il n'a pas pris le même chemin qu'Emmanuel Macron.

D'un côté, il a toujours un œil sur la réalité, la vie des gens pauvres,  et de l’autre il essaie d’établir des liens avec les présidents des grandes entreprises et les grands hommes politiques.

Nous pouvons suivre la trace d'Emmanuel Macron en détail. C'est la raison pour laquelle il est critiqué par le peuple français car il est considéré comme le président des riches.

 

Je pense que la plupart des Japonais qui s'intéresse à la politique française aiment Macron car il a un bon style et il est très intelligent d'autant qu'il a obtenu des diplômes de Grande école. Mais on doit confirmer sa politique.

 

Mes amis français à l'université m'ont dit qu'au niveau de l'apparence il se présente bien, mais niveau politique ça laisse à désirer.  

 

Pour les politiciens, son apparence est importante mais les choses les plus importantes en politique sont d'être bien éduqué, cultivé, avoir son style politique et des idées politiques.

 

Soyez vigilant à apprécier les politiciens non pas par leur physique mais par une partie de caractère et de leurs idées.

本棚28 『Manifeste pour la paix et la Liberté 』 Florian PHILIPPOT

本日は先週Amazonで購入したこちらの本↓

 

Manifeste pour la paix et la Liberté

 

の紹介。

 

Amazonページはこちらから↓どうぞ。

 

日本でも高校で学んだ(もしくは学ぶ)かと思うが、

現在私はNationからどの様に現在のÉtat (私たちがイメージする国家)が成り立ち、今に至るのかという歴史に興味がある。それを詳しく知ることで政治思想(ナショナリズムや極右、、もっと言えばフランスのゴーリズム等)や今はやりの移民問題等の幅広い分野における問題を読み解くカギになるのではないかと思ったのだ。

※因みに私は『国家=完全悪』という日本の左派思想が好きになれず、だからと言って戦前の強権的過ぎる国家もそれはそれで好きではない。

 

そしてNationの歴史を扱う本(これについてはいつか投稿します)を読みながらフランス極右政治家の代名詞とも言えるマリーヌ・ル・ペン氏の懐刀で彼女が率いる国民連合(旧国民戦線)の政策を作成していたFlorian PHILIPPOT氏を知り一緒に読み進めた。彼は現在ル・ペン氏とは決別し自らの政党であるLes Patriote(極右政党)を率いる。

フランスメディアで極右とされる政治家は一体どんな国家観を持っているのか気になったのだ。

 

※Florian PHILIPPOT氏はグランゼコールのHEC(パリ高等商業学校)とENA(旧国立行政学院)を卒業したエリートで、そんなエリート階級の人間が極右活動をしているのは珍しいとパートナーは言っていた。

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彼の政党が掲げる政策についての小冊子で30ページちょっとしかない本とは言えない物だが彼が現在のフランス政治や国際政治に抱く不満がこれでもかと書いてある。

 

コロナ対応(マクロン大統領が最初に「これは戦争状態だ」と大げさに宣言した演説についても苦言を呈している)やウクライナ戦争のフランス政府と特にEUの対応を批判している。マクロン大統領に関しては典型的なグローバリストでsouveraineté d'un État (国家主権) の重要性がが全く分かっていないと。

またやはり欧州連合には懐疑的で国家にとってはsouveraineté(主権)が最も重要であるのに現状は。。。嘆いている。

 

他の農業政策や金融政策や移民政策(これも中々厳しい)についても軽く書かれている。

 

やはり政治家の本を読むのは面白い。

私は全ての政治家に国家観や政治観などの思想を強く求めるのだが、良い悪いは別にしてそれらを余すところなく述べているこちらの政治家は読んでいて気持ちがいい。

日本のようにリーダーシップや国民に全面的に押し出す強い思想が無くても所謂調整力(=根回し力)があれば総理大臣になれるのとは違うなぁと。

 

もっともっと深く調べていこいと思う。

 

PS:私は極右でも極左でもありません。

 

本棚27『Discours de la servitude volontaire』La Boétie

前回の君主論↓に引き続き今回もかなり重たい本の紹介。

masafra.hatenablog.com

 

今回紹介するのは16世紀前半に活躍したフランスの裁判官で人文主義者だった、Étienne de La Boétie(以下ボエスィ)の

 

 Discours de la servitude volontaire(自発的隷従論)


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私が読んだフランス語版はこちら↓から見れます。

https://amzn.eu/d/es1XE25

 

日本語版もあるみたいなのですがそれはこちら↓から。

 

※今回もかなり長い内容です。ご了承の程。

 

Étienne de La Boétieって誰???

エスィは1530年11月1日フランス南西部のサルラ=ラ=カネダで法官貴族の子として生まれました。オルレアン大学で法学や人文学を学び、その卒業論文として書いたのが今日紹介する『自発的隷従論』で、なんと彼が23歳の時の作品。因みに彼の死後ボエスィの論文を保管していたモンテーニュは彼が18,19歳の時に書いたと言っています。

大学卒業後は父と同じく法官の道に進み、ボルドー高等法院で評定官になり、そこで終生の友といえるフランスの哲学者ミシェル・ド・モンテーニュと出会う。

が、1563年8月18日当時流行っていたペストによって死去、享年32歳。

 

私とこの本との出会い

私はこの本を今年2月24日トゥールーズのいつも行く本屋さんで購入した。

この日は県庁に行って滞在許可証を受け取りにパリから帰っていた日だった。この本を購入したのはその前の日に政治学を学ぶフランス人エリートが必ず読む本をいうフランスのどこかの新聞記事を読み、その中の1冊にこの本があったから。

正直ボエスィについては全く知らなかった。すぐにネットでどんな内容の本なのかを調べて大枠を掴み少しずつ読み進めていった。全体で50ページほど。

が、なんせこの本が書かれたのは16世紀前半のフランス。使われている単語や表現、文法が無茶苦茶難しくて1人では全然読めなかった。。。

なのでフランス人の友人、大学院に入ってからできた友人とカフェで勉強会?的なものをやりながら、またフランス人パートナーにも助けてもらいながら何とか読み終えた感じ。正直、巻末の現代フランス語の解説は本当に有難かった。

 

本の内容

まず最初にボエスィは、

 

なぜたった1人の圧政者(権力者)に多くの人々が従ってしまうのか?

人々が自由という自然の権利さへ自然なものと思わなくなっているのはなぜか?

 

という問いがこの論文を書いた目的と書いている。

 

そもそも人間(動物でさへ)は自然状態において自由である。

※神に仕え人間の支配者である自然が与えた権利と教えをもって生きれば我々は理性のしもべとなり誰にも隷従したりしない。また、自然は人間それぞれを同じ様に、だが違いを付けてを作った。これはその違いを映し出させて、兄弟のように助け合いの精神(fraternité  博愛)を育むため。こんな自然状態において誰かを隷従させることなどあり得ない。

 

※この部分を読んでふと、金子みすゞの「私と小鳥とすずと」を思い出した。

個人的にはこの考え方が凄い好き。違いがあるから人は他人に嫉妬もし羨んだりもするが、それでも助け合えるという点に重きを置いている。

 

ただ、こんな自然状態における助け合いの精神、自由が人々には備わっているにも関わらず圧政者に隷従することがなぜ起きてしまうのか???

 

理由①:習慣

人は確かに力によって強制されたり、打ち負かされて隷従することがある。ただ、隷従するや否や本来人間が持つ本性が変わってしまい、自由だったことをいとも簡単に忘れしてしまい、自発的に隷従する。それに慣れた人たちの子供もまたその子供も生まれたその状態で満足する。圧政者によって色々と奪われているのも知らないで。

また、教育と習慣によって身につけた事が自然と化してしまう。

 

だからこそ自由とは圧政者を倒すことではなく、圧政者に力を与えず、民衆は常に自由を求めることにあるとボエスィは言う。

 

理由②:圧政者の存在

圧政者には3つの種類があり、

 

Ⅰ 民衆の選挙によって選ばれ国を支配する者

Ⅱ 武力によって国を支配する者

Ⅲ 家系の相続によって国を支配する者

 

がある。

ⅡとⅢに関しては分かると思うので割愛するが、Ⅰに関してはまさに現代の民主主義だ。ボエスィは結局その者も他人より高い地位にいるのだと勘違いしその座から絶対に降りないと考えない場合にのみⅠは許容できるという。だが結局3つとも支配に至る手段は違えど、支配の容態は同じようであると。

 

そしてこれらの圧政者が支配をより強固にする仕掛けとして5つある。

 

Ⅰ 遊戯→芝居、賭博、剣闘士、劇などの娯楽

 

Ⅱ 饗応→民衆を折に触れて饗応することでその者たちは満足する

 

Ⅲ 称号→その者が欲しがる名誉職などを与えること

 

Ⅳ 自己演出→自らが持つ権威に神秘性を持たせる

 

Ⅴ 宗教心の利用→民衆の宗教心を悪用する

 

理由③:小圧政者の存在

習慣と同じくこの人たちの存在がかなり大きい。

圧政者の下には彼に従った方が有利と考えて自発的に付き従う者(小圧政者)がいて、その下に同じような小圧政者もどきがいる。つまり自発的隷従の連鎖がどんどん強くなる。そしてその中にいない民衆は上記の娯楽などを通して自発的に隷従するようになっている。

 

では、どうすれば自発的隷従をしなくなるのか???

詳しくは書いてなかったが、個人的に上記の友愛・兄弟愛をもつことが重要かと思った。友愛は善人同士の間にしか存在せず、お互いの尊敬無しに生まれない。恩恵などの私情、利己心、暴力などの力によってではない人間関係を持つことを認識すべきである。

 

その他

・ボエスィは体制打破主義者でも、アナーキストでもなく、加えて革命推奨主義者でもない。

 

・ルソーはボエスィのこの論文を読んだかどうか分からないが、少なくとも「自由」の考え方に関してはかなり影響を受けている。

 

 

個人的な感想

上記のように私はこの本を初めてフランス語で読んだ。

その新鮮さに難しいながら少しずつ読んだが、私は彼の「人間観」がとても好きになった。前回紹介した『君主論』で書かれているマキャベリの人間観はTHE性悪説といった感じで読んでいてどうしても心苦しくなっていった。余りに人間について一面的過ぎる見方じゃない???と。だたボエスィは自然が与えた個々の「違い」があるからこそ助け合って、友愛の精神で生きていこうという考え方。素敵だ。

 

また、今でこそ当たり前とされる人間の本性は「自由」で自然権としての「自由」の重要性を今から500年も前に書いているのは本当にすごい。

アリストテレスのように自由や平等より重要なのは「善」という。ここまでくるとよく分からなくなるが、圧政に民主主義で選ばれた者(私利私欲に溺れないというのが条件)も圧政者に入るとなると、その条件を満たした者以外にどんな社会をイメージしていたのかとても気になる。

 

長々と話してきたが、現代社会、政治にも当てはまることがある様に思う。

読んだことのない人は是非読んでみてください。

 

 

 

Machiavel 『Le Prince』

Le livre que j'ai lu la semaine dernière est Le Pronce.

En effet,  quand j'étais étudiant de l'université au Japon,  j'avais 19 ans, je l'ai lu en japonais car mon professeur nous l'a préconisé et nous a obligé à le lire.

 

En plus, il a dit comme ça:

 

C'est le livre très important que tous les étudiants en sciences politiques doivent bien  lire afin de comprendre le réalisme dans le cadre de la politique.

 

C'était ma première rencontre avec ce livre.

Après ma classe de la philosophie politique,  je me suis rendu à la librairie à côté de chez moi, je l'ai acheté.

 

De moment où je l'ai lu,  nonobstant je ne connaissais pas les villes et les régions italiens ainsi que les batailles historiques dans ce livre,  j'ai impression que ce livre est tellement intéressant.

Malheureusement,  c'est il y a 12 ans, je ne me souviens donc pas du contenu...

 

Mais lorsque que j'étais à la librairie à Toulouse,  j'ai contemplé ce livre et j'ai pris la décision de le relire en français malgré cette difficulté.

 

Depuis le mois de mars, je l'ai lu petit à petit parce que j'avais d'autres livres à lire et j'ai dû travailler dans un restaurant japonais pendant la  semaine. 

 

J'ai terminé avec peine de le lire.

Machiavel a écrit beaucoup de leçons pour ceux qui font de la politique, par exemple sur les cinq qualités privées qu'ils devraient posséder pour obtenir la bonne réputation et l'appréciation du peuple.

Il s'agit d'analyses qui s'appliquent à notre époque.

 

Mais ce que j'ai retenu de ce livre cette fois-ci, c'est qu'il critique l'attitude qui consiste à s'en remettre aux autres et à la fortune sans démontrer ses vaillances.

 

En tant qu'État souverain, il doit traiter toutes les questions par ses propres forces. C'est ce que nos dirigeants doivent promouvoir. Cela vaut en particulier pour le Japon.

 

Je vais recommencer à le lire pour ceux qui n'ont pas encore lu ce livre 😊

本棚26 『Le Prince』Nicolas Machiavel

久しぶりの本紹介。

今回紹介するのはイタリアのルネサンス期に活躍したイタリアの政治家、政治思想家マキャベリ

 

Le Prince君主論

 

amzn.eu

 

日本語版はこちら↓から。私が大学生の時に読んだもの。

 

 

今回も中々の長文です。

 

君主論との出会い

 

今回はフランス語で読みましたが、実は大学1回生の時に政治学科の学生なら読むべき本とある授業で紹介されていたので読んで以来だった。実に13年ぶり。

当時は馴染みのないイタリアの地名や戦争の具体例が多いのと、言葉がいちいち猛々しいなぁという印象しか持てず、正直彼の死後500年近く経ってもなお読み継がれている理由がよくわからなかった。

 

でも今回はフランス語でゆっくり読み、色々と発見したことがあったので内容をまとめつつ感想を書こうと思う。

 

内容① ~前半部分~

本著は26章で構成されている。ザっと、

・前半:1~14章(君主政体の種類と軍について)

・後半:15~26章(君主に必要な能力について)

 

こんな感じかと思われる。

 

内容に行く前に本著の内容を一言で表すと、

君主が維持すべき権力の在り方を客観的かつ合理的に論じた本

と言える。

 

また君主論を読む中で重要な2つのキーワードがある。それは、

力量(Vaillance)→能力の様なその人が本来持つ資質。突然やってくる運命を活かすのに必要

運命(Fortune)→人の力では変えられない物

※フランス語での表記。

 

正直前半部分に関しては現代人が読んでも馴染みがある内容ではない。

なぜなら、世襲による君主政体と新興の君主政体など政体の種類の説明と同時に例えば新興の君主が風習の似ている地域を獲得しそれを保持するためには、古い君主の血筋を抹消しそして住民たちの法律も税制も変えない事、など君主が政体保持のためにすべき方法論が書かれているから。今の時代に個人が軍備を持って隣国を攻めるなんてことはありえない。

 

ただ個人的に12章(軍隊にはどれほどの種類があるか、また傭兵について)と13章(援軍、混成軍そして自軍について)は今の日本をマキャベリが「おい日本、大丈夫か?日本人全員がこの章を読むべきだ!」と言っているような印象を受けた。

簡単に記しておくと、軍には①自軍(臣民、市民、養成者など)、②傭兵軍、③援軍、④混成軍があり、そのうち②と③に関してはイタリアの歴史をみても分かるように全くあてにしてはならないしまたそれをあてにしてはならない。また④の混成軍も②と③に比べたらマシなだけで自己の軍備を持たなければいかなる君主政体も安泰ではないと。「自己の戦力に基礎を置かない権力の名声ほど不確かで不安定な物はない」という記述は、まさに戦後安全保障政策・防衛政策を過度に米軍に依存してきた日本に当てはまらないか?少しずつ変わりつつあるが日本人もう少し世界の現実を見ようよ、いや歴史からもっと学ぼうと思った。

 

内容② ~後半部分~

後半部分は君主のあるべき姿が書かれていて、この部分は政治分野だけでなく他分野にも汎用性が高いと思う。

 

理想的な君主には、

けちん坊であること(16章)

→ケチというとマイナスイメージがあるがこれは換言すれば金の使い方を知っている、つまり無駄なことに金を使わないということ。気前がいいことは長く続かないし気前よく振舞えなくなった時、人からの評価は必然的に下がる。下の下は気前よく振る舞うために市民や臣民の財産、また彼らの婦女子に手を出すこと。

 

恐れられること(17章)

→人間は一般的に恩知らずで、移り気で、とぼけたり隠し立てをするので危機が迫った時にはすぐに逃げ出す。反対に恐怖は君主から離れない処罰の恐ろしさによってつなぎとめることが出来る。人々が君主を慕うということは彼らの好み、意向であるが人々が恐れるということは君主次第、つまりこちらに理由がある。君主はいかなる時も自己に属するものに拠って立つべきで他者に属するものに拠って立つべきではない。

 

侮られないこと(19章)

→侮られる理由は、一貫しない態度、軽薄で、女々しくて、意気地なしで優柔不断な態度をとるときである。侮られないためには君主の行動が偉大であり、勇気に溢れ、重厚で、そして断固たるものであると市民、臣民に認められるように常に努めなければならない。

 

憎まれないこと(19章)

→①のけちん坊で説明したことと被るが、他人の物に手を出さないことが重要。ただここで注意すべきは、憎しみを招く原因がなにも上記の悪行だけからというわけではなく、セウェールス・アレクサンデル皇帝の例があるように善行からも邪推され憎しみが起こりうるということは肝に銘じておかなければならない。

 

尊敬されること(21章)

→君主は自己の行動の1つ1つにおいて自分が偉大な人間であり、卓越した才能の持ち主であることを世に知らしめる必要がある。また、自分が力量の愛好者であり力量ある人を厚遇し、そういった人たちを称賛することによって人々から尊敬される。

 

の5つの資質が必要である。

もちろんこれらの資質をすべて備えている事に越したことないが、持っていなくてもそう見せかけることも重要である(18章)。

 

ただ、人間は他者からの評価を気にする生き物でまた人は形(結果)だけをみて評価するから君主は他人の評価を気にせず結果を出すことだけに集中すべきである(16章、18章)。

 

その他

・君主の秘書官(取り巻き)を見ると君主の能力が分かる。なので君主は自己の利益を追求する秘書官を信用してはならず、常に君主への恩義を深めさせ、多くの地位と仕事を与え、君主がいなければ自分の存在理由がないことを気付かせることに配慮しなければならない(22章)。

 

・良い助言とは誰から発せられても必ず君主の思慮の内に生まれるのであって、良き助言から君主の思慮が生まれるわけではない。なので君主は一部の賢い取り巻きだけに自分の問いかけをしその問いかけのみ答えさせ、彼らの意見に耳を傾けていると思わせつつ最後は自分で決断しなければならない(23章)。

 

・イタリアの君主たちが政体を失ったのは、軍備にまつわる欠陥と民衆を敵にした(もしくは貴族たちの心を掴めなかった)から。秀でた防衛、確かな防衛、永続的な防衛は君主自身の力に拠ったもので、また君主の力量に依存する(24章)。

 

・運命は時代を変えられるのに、人は自分の様式にこだわるから2つが合致している時はいいとして、そうでなくなると不運になる。つまり、この世の半分は運命が関わっているが、残りは自分たちの性質を果敢に変えていくことで変えられる(25章)。

 

 

個人的な感想

君主論という題であってもその「君主」の部分を「政治家」や「会社経営者」と置き換えても読むことができるある意味自己啓発本としての内容から、現在でも本著作が世界中で多くの人に読まれ続けていると理解できる。

マキャベリは冷徹なまでのリアリスト(現実主義者)。キリスト教の影響力が現在よりも強かった当時のヨーロッパで彼がしたような道徳から離れて現実に即した分析は恐らく異端だったろうと思う。

 

と言いつつ、性悪説から立脚した彼の人間観や権力に対する論理、分析は私としては全面的に納得のいくものではなかった。人間には私利私欲を越えた何か目に見えない力を発揮する時もあるだろうし、彼がこの本の中でいう人間の特徴以外の人間もいるだろうと期待したい自分がいたのも事実だった。人間だって捨てたもんじゃないよと。

 

ただ今回全体を通して、私はマキャベリが自らの力量を発揮することなくまた磨くことすらなく、反対に他者運命に身を任せる姿勢にかなり批判的であると理解した。彼が生きていた当時のイタリア、故郷のフィレンツェの状況がそうさせたのだろう。

実は政治学を学んでいる私の根底にはこの思想(ドゴール主義に通じるもの)がある。何かに依存している状態に慣れ切っている人間、私が最も嫌いな人間だ。

 

それは何も国家規模だけの話ではなく、地方自治を勉強していても国に頼ってばかり(地方交付税目当て)の自治体を見ると悲しくなる。特に埼玉県の地元!!!もう少し自立しようよって、知恵だそうよって。

 

最後に、目的のためなら手段をえらばないマキャベリズムという言葉について。

確かに「君主は慈悲深く冷酷ではないという評判を得たいと考えるが、臣民の結束と忠誠心とを保たせるためならば冷酷という悪評を気にする必要はない」(17章)など書かれている。ただ上記後半部分の君主が必要な5つの資質はある意味当たり前の話であるし、彼自身も冷酷なことを必ずしろ!と言っているわけではない。

言葉の定義付けって一面的に理解するのにはいいけどそれで全て分かった気にならないように気を付けようと思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Aki Shimazakiさんの新著📖

先週あたりからパリはとうとう夏の気温になり、先日はなんと29°だった。

先週は朝晩少し寒かった関係で長袖で歩く人も多くいたが、本日は多くの人が半袖半ズボンに!朝晩も暑くなってきた。。。(-_-;)

まぁ日本の家族や友人と連絡をとると「日本はすでにもっと暑いから!!!」と怒られるから気温ネタはこれくらいに。

 

さて本題に。

本日の午後、パリ13区のPlace d'Italieからパリ5区方面を散策していた時にたまたまこちらの広告↓を見つけた。
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内容はAki Shimazakiさんの新著の広告。

※フランス語での紹介記事↓を載せておきます。

https://www.actes-sud.fr/catalogue/litterature/nire

 

最初「Niré」というフランス語を知らなかったのでどういう意味だろうと辞書で調べたら出てこず、とりあえずと紹介文を読んだらなんと主人公の名前だった。楡さんという名字は主に北海道、滋賀県でみられるとのこと。

 

※Aki Shimazakiさんについては以前紹介したこちらの記事↓をご参照ください。

masafra.hatenablog.com

 

 

最近はもぱら政治、歴史系の本ばかり読んでいて中々文学作品を読めていないからこの本はかなり興味あり。

 

このブログでは度々私が読んだ本について投稿しているのでフランス留学についてだけでなく読書に関しても質問を受ける。

2,3回ほどだが「ユーゴーカミュなどではなくフランス語で読める短い本を何か知りませんか?」のような質問をうけた。

その際、私は迷わずAki Shimazakiさんのご著書を勧めた。

理由は、

ページ数が150p位と多くないこと

→ページ数が多すぎると途中で飽きてしまう可能性が高く他の本に目移りしてしまうから

 

テーマが日本についてであること

→日本人にはわかりやすいテーマだから

 

フランス語が難しくないこと

→これが大きい。読んでいてフランス語の文法に苦しめられると本の内容を理解する以前に仏文解釈で終わってしまうから

 

今夏のバカンス期間で読む本はすでにいくつかピックアップしているがこの新著も読んでみよう。

 

さて最後に本関係で言うと、

来週末、パートナーがトゥールーズからパリに引っ越してくる。私も今住んでいるパリのアパートから引っ越しをしないといけない。まぁ私の引っ越しはいいとして、

トゥールーズにはこちらに来てから読んだ日仏あわせて200冊以上の本が置いたままになっている。。。本は大好きだが引っ越しの時は大変だ。。。