フランス留学生の日記

時々更新!フランスでの日々を投稿しまーす!

3月14日(月) フランスのマスク着用義務緩和をうけて

3月14日のトゥールーズは一日中風がとても強かった。何処にいても風が鳴いているのが聞こえた。

まさに、ポール・ヴァレリー

Le vent se lève.(風が立つ)

 

私はいつもの様にトゥールーズ大学ジャン・ジョレス校の大学図書館で勉強する為に地下鉄に乗ろうとしていたが、地下鉄A線は15分程遅延していた。

大体平均して週に1回はこの様な遅延があるように思う。特に朝。

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まぁ、地下鉄A線は地上に出る区間が一部あるので今日の様な強風は仕方ないのだろう。

 

話は変わって、

本日からフランスは公共交通機関など一部を除いてマスクの着用義務が無くなった。

かく言う大学図書館でもマスクをする必要がなくなったのだ。と言っても、着用義務の時も口元ではなく顎の下にマスクをつけている人が図書館にはたくさんいた。

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仕事やスポーツをする以外はメガネっ子の私にはレンズが曇ることに加え、下を向いて文献を読んだりノートを取ったりするので息が苦しくて苦しくて辛かった。本当にありがたい。

 

このマスク着用について、ふと変なことを考えた。

日本のように社会全体の雰囲気でマスクをするという習慣がそもそもこちらにはないので、政府が厳しい決まりを国民に課してこれまで2年ほどやって来た。

 

戦争や健康危機などの重大な問題に国全体で闘わなければならない時に、国家として国民をまとめる必要がある。

 

フランスでは右派左派問わず政治家がなにかと「Solidarité(連帯)」を声高に国民へ呼びかけるのは、フランス人(の特徴)だけでなく、外国出身の人たちが一定数フランス社会にいてその人たちが複雑に混在し、自分の考えを主張してなんぼの社会だから束ねるのが難しいというのが根底にある。

 

一方これに関して、日本の政治家の演説で「連帯」という言葉が出ないのは日本社会がフランスとは違い国民の統一感、つまり近代の哲学者や政治家が思想した「国民国家(nation state)」に近いこと、そして山本七平の言う「空気」の重み(=他人への意識)が日本社会にはあるので政府がわざわざ厳罰を国民に課す必要がないから。

 

どちらが良いのか悪いのか。

ある人から見れば「日本社会は多様性がない硬直した社会だ!」となるだろうし、他の人から見れば「連帯だなんて重々しい言葉を使わなくたって日本は治安も良く国民的なまとまりがある!」とも言える。

 

こういう1つの事象から自分なりにそれぞれの社会が見えるのは本当に面白い。まさに留学の醍醐味だ。

 

さて、明日はどんな発見が有るのだろうか。