フランス留学生の日記

時々更新!フランスでの日々を投稿しまーす!

さようなら、李登輝元台湾総統(T . T)

皆さん、こんにちは、こんばんは。

 

7月30日(木)フランス時間14時頃、「李登輝氏死去」のニュース速報を見た。

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私は遅い昼食をとって少し眠くなったので、寮のベッドで昼寝をしていた。
15分程夢の中にいた所、突然携帯が大音立てて鳴り響き、私は眠い目を擦りながら画面を見て、その内容を確認するや、一気に目が覚めた。

私がフランスに来てから、

●ジャック・シラク元仏大統領(2019年9月26日)

中曽根康弘元総理(2019年11月29日)

李登輝台湾総統(2020年7月30日)

と、誰もが知る大物政治家が亡くなった。

政治ウォッチャーの私から見ると、この3人に共通するのは毅然とした態度で何事にも臨む(または臨める)凛々しい政治家だったという事と、圧倒的な知識量に裏付けされる「教養力」を持った政治家だったという事です。

 

中曽根元総理は風見鶏と日本では批判的に言われてますが、この3人は国民を安心させるに足る政治家としての「芯」や「軸」がしっかりあり、それを基にしっかり行動できた最後の政治家だったのかも知れません。

 

私が李登輝氏の事を知ったのは恥ずかしながら大学2回生の時でした。
もちろん名前だけは知っていましたが、「あぁ10年位前に台湾で活躍したお偉いさんでしょ?」みたいな知らないに等しいレベルでした。

 

大学2回生の時、日本外交史の本を読んだ。
そうすると避けては通れない東アジア諸国との関係が必ず書かれています。
そして、その本に台湾の歴史を書いてある章があり、戦後の台湾政界で活躍した李登輝氏に興味を持った。

 

早速京都四条のジュンク堂書店に行き、そこにあった、以下2冊を購入した。
 
李登輝 『最高指導者の条件』 PHP 2008
李登輝氏の本の中で私が1番好きな本です。
日本の現状に対する考え、中国との関係なども書いてありますが、政治家や企業経営者など人の上に立つ人間に必要な物(哲学的思考や決断力、忍耐力など)が書かれています。
話が東洋・西洋の歴史から文学の話など例として書かれており、その圧倒的な知識量に驚きました。

李登輝 『台湾の主張』 PHP 1999

↑こちらは総統在任中(退任される少し前に出された)に書かれた本です。

台湾やその周辺の知識がないと読むのは難しいと思います。現に途中私も挫折しそうになりました笑
ただ、自分の権力集中を避けて一党独裁にならぬよう民進党を認め、また台湾国民の言論の自由を認め、民主化に尽力したその流れはよく分かります。
 
李登輝氏は日本では今でも人気があります。
それは彼の功績だけでなく、日本占領下の台湾で生まれ、京都帝国大学農学部で学んだこともあり日本語が堪能という事。
加えて「自分は21歳まで日本人だった」や「尖閣諸島は日本のもの」の様な発言が日本人受けしたという側面があるのかもしれません。

 

もちろん李登輝氏は日本に対して厳しい目もお待ちでした(それはご著書に書かれています)。

 

ただ、私は日本人よりも日本人らしい姿と、今の日本人へ「もっと背筋を伸ばしてシャキッとしろ!」としっかり叱ってくれる李登輝氏だったからこそ、多くの日本人にも愛されているのではないかと思います。

 

ただ頭が良いだけではなく、人望もあり、政治家に必要な「人間力」があった方だったんだろうなぁと推測します。
1度お会いしてみたかった。。

 

カッコいい政治家がまたこの世を去ってしまった。
心からご冥福をお祈りします。